自費診療に積極的な台湾人患者の増加を背景に、日本のクリニックで外国人患者対応のデジタル化が加速しています。台湾国内ではオンライン予約や事前相談が一般化しており、LINEやGoogle検索を使って医療機関を探す行動が主流です。一方、日本では電話予約や窓口対応が中心のクリニックが多く、「予約から受診までをネットで完結したい」患者との受診スタイルの違いが、現場でギャップとして顕在化しています。
市場調査会社univdatosによると、台湾では制度上、一部の先進医療が国内で受けにくく、日本で自費診療を受けたい層が拡大しているとされます。こうした患者を取り込むには、単なる通訳や多言語表示だけでなく、「どうやって探し、どうやって予約し、どう受診するか」というプロセス全体をデジタル化することが重要になっています。具体的には、GoogleとLINEを起点とした複数の予約導線、多言語対応のオンライン予約・問診フォーム、来院前のリマインド配信、受診後の口コミ管理まで一気通貫で運用できる体制が求められます。
医療テック企業アリピン株式会社は、台湾で1,800以上のクリニックに予約・患者管理システム「1.Talk」を提供してきた実績を活かし、日本でもインバウンド医療支援を本格展開しています。東京都内の提携クリニックでは、台湾人患者向け導線を整備した結果、自費診療の予約が増加するなど、デジタル対応による効果が確認されています。クリニック側は業務効率化を図りながら新たな患者層を取り込める一方で、医療従事者が本来業務に集中しやすくなる点も利点とされています。
今後は、日台間の医療連携を支えるデジタル基盤の整備が進むことで、外国人患者の受け入れ体制が標準化していく可能性があります。訪日医療需要の拡大が見込まれるなか、外国人患者の「当たり前の受診行動」に合わせたデジタル運用をどこまで整備できるかが、クリニック経営にとって中長期的な競争力の差につながるとみられます。
【サービス情報】
患者管理・予約システム「1.Talk(ワン・トーク)」
Googleマップ予約連携機能を搭載し、多言語オンライン予約・問診、口コミ運用を一体管理
source: PR TIMES
